Day to day happenings at SAO: Just about to work on the farm.... Current residents: Sky, Dylan, Chelsey

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The Beholdmyswarthyface Encyclopedia of Modern Japan

This just in from Sally Suzuki:

Beholdmyswarthyface and I are currently compiling our own Encyclopedia of Modern Japan (so far it’s just a list), and we are looking for people to contribute. The project is turning out to be bigger than expected.

Unlike Louis Frédéric’s Japan Encyclopedia, ours will not include the pre-modern periods, nor will it [...]

森鴎外 ’かのように’

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綾小路は目と耳とばかりで生活しているような男で、芸術をさえ余り真面目には取り扱っていないが、明敏な頭脳がいつも何物にか饑(う)えている。それで故郷へ帰って以来引き籠り勝にしている秀麿の方からは、尋ねても行かぬのに、折々遊びに来て、秀麿の読んでいる本の話を、口ではちゃかしながら、真面目に聞いて考えても見るのである。
綾小路は卓の所へ歩いて行って、開けてある本の表紙を引っ繰り返して見た。「ジイ・フィロゾフィイ・デス・アルス・オップか。妙な標題だなあ。」
そこへ雪が橢円形(だえんけい)のニッケル盆に香茶(こうちゃ)の 道具を載せて持って来た。そして小さい卓を煖炉の前へ運んで、その上に盆を置いて、綾小路の方を見ぬようにしてちょいと見て、そっと部屋を出て行った。何 か言われはしないだろうか。言えば又恥かしいような事を言うだろう。どんな事を言うだろう。言わせて聞いても見たいと云うような心持で雪はいたが、こん度 は綾小路が黙っていた。
秀麿は伏せてあるタッスを起して茶を注いだ。そして「牛乳を入れるのだろうな」と云って、綾小路を顧みた。
「こないだのように沢山入れないでくれ給え。一体アルス・オップとはなんだい。」こう云いながら、綾小路は煖炉の前の椅子に掛けた。
「コム・シィさ。かのようにとでも云ったら好いのだろう。妙な所を押さえて、考を押し広めて行ったものだが、不思議に僕の立場そのままを説明してくれるようで、愉快でたまらないから、とうとうゆうべは三時まで読んでいた。」
「三時まで。」綾小路は目をみはった。「どうして、どこが君の立場そのままなのだ。」
「そう」と云って、秀麿は暫く考えていた。千ペエジ近い本を六七分通り読んだのだから、どんな風に要点を撮(つま)んで話したものかと考えたのである。「先ず本当だと云う詞(ことば)からして考えて掛からなくてはならないね。裁判所で証拠立てをして拵(こしら)えた判決文を事実だと云って、それを本当だとするのが、普通の意味の本当だろう。ところが、そう云う意味の事実と云うものは存在しない。事実だと云っても、人間の写象を通過した以上は、物質論者のランゲの謂(い)う湊合(そうごう)が加わっている。意識せずに詩にしている。嘘になっている。そこで今一つの意味の本当と云うものを立てなくてはならなくなる。小説は事実を本当とする意味に於(お)いては嘘だ。しかしこれは最初から事実がらないで、嘘と意識して作って、通用させている。そしてその中(うち)に 性命がある。価値がある。尊い神話も同じように出来て、通用して来たのだが、あれは最初事実がっただけ違う。君のかく画も、どれ程写生したところで、実物 ではない。嘘の積りでかいている。人生の性命あり、価値あるものは、皆この意識した嘘だ。第二の意味の本当はこれより外には求められない。こう云う風に本 当を二つに見ることは、カントが元祖で、近頃プラグマチスムなんぞで、余程卑俗にして繰り返しているのも同じ事だ。これだけの事は一寸(ちょっと)云って置かなくては、話が出来ないのだがね。」